夏の終わり 1 -エルタテハ・キベリタテハ -

 東北では、8月に入ると蝶の種類はめっきりと少なくなります。
 今年は、恒例のゴマシジミはタイミングが悪くて出かけられず。
 オオゴマシジミは、いつものポイントに東北以外の採集者が入っていて早々に引き上げ。

 そんなわけで、あっという間に成虫越冬のタテハ類の撮影シーズンになってしまいました。

 今年の目標は、昨年撮影できずに終わったエルタテハ。
 そして昨年やっと撮影できたキベリタテハをじっくりと撮影することです。

 お盆前後にダケカンバの生える高原地帯に出かけましたが、幸先よくエルタテハが出て来てくれました。

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エルタテハ 2016/08/21 宮城県遠刈田
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エルタテハ 2016/08/21 宮城県遠刈田

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エルタテハ 2016/08/21 宮城県遠刈田
羽化してそれほど日数が経っていないと思われる綺麗な♀です。
数年前この近くでかなりの数が見られたということですが、昨年は一度もお目にかかることができませんでした。

エルタテハはこの一頭だけ。
この日は、このほかにはクジャクチョウが何頭か飛ぶのが見えただけで、全く撮影できず引き上げました。
エルタテハがでているということは、時期的には当然キベリタテハも出ているはずですが、影も形も見えません。それどころか、去年あれほど飛んでいたヒョウモン類やオオチャバネセセリ、アサギマダラなどほかのふつうにみられる蝶の数が異常なほど少ないようです。

この傾向は、北海道、長野でも同じようで、やはり日本の自然になにか大きな変化が起きていることのように私には思えてなりません。

ベリタテハは9月になってやっと姿を見せてくれました。
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ベリタテハ 2016/09/01 宮城県遠刈田
岩の横に逆さの姿勢で止まった。
この蝶は、こんな感じで現れることが多い。

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ベリタテハ 2016/09/01 宮城県遠刈田

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             キベリタテハ 2016/09/01 宮城県遠刈田

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ベリタテハ 2016/09/01 宮城県遠刈田

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ベリタテハ 2016/09/01 宮城県遠刈田
アカタテハとのツーショット。
このアカタテハとキベリタテハがこのあと同じダケカンバの木に向かい合って開翅して止まるという素晴らしい場面を見せてくれましたが、カメラの操作に手間取り、残念ながらその瞬間を写すことはできず。涙;

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ベリタテハ 2016/09/01 宮城県遠刈田
こちらはシータテハと。

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クジャクチョウ・アカタテハ・シータテハ 2016/09/01 宮城県遠刈田
この日はこんなタテハ類が晩夏の日差しを浴びていました。

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クジャクチョウ 2016/09/01 宮城県遠刈田
この数年、めっきり数が減ったクジャクチョウ。
平地では全く姿を消してしまい、こんな高地まで来ないと撮影ができないようになりました。

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クジャクチョウ 2016/09/01 宮城県遠刈田

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クジャクチョウ 2016/09/01 宮城県遠刈田


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ベリタテハ 2016/09/01 宮城県遠刈田
午後の日が傾き始めたころ、斜めの順光をあびて、チョコレート色と青紋と黄色い帯が輝く。
この3色の取り合わせこそがキベリタテハの真骨頂です。

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ベリタテハ 2016/09/01 宮城県遠刈田

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ベリタテハ 2016/09/01 宮城県遠刈田
葉の緑をバックにすると、3色はさらに浮き立って見えます。

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             キベリタテハ 2016/09/01 宮城県遠刈田
             近くのダケカンバの幹に止まった。

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ベリタテハ 2016/09/01 宮城県遠刈田
ベリタテハには、やっぱりカンバ類の樹肌の色と、青空が良く似合います。

蝶のシーズンは、あと残りわずか。
今年の蝶の発生状況は異常でしたが、来シーズンはどうなることか。
推移を見守っていきたいと思います。