こんな日はチャンス! - オレンジ色に会いに行く -

 クモマツマキチョウに会いに、信州・北アルプスに出かけました。
 2年前、蝶友Fさん、Hさんと出かけて以来です。
 昨年は、この時期台湾に出かけた直後で、遠征する気力がまだなかったので見送り、2年ぶりにまた高嶺を舞うオレンジ色を見たくなったというわけです。

 クモマツマキチョウは、その鮮やかな色合いや、翅裏の雲状の美しい紋様、それと寒冷地の生き物らしく身にまとう気品に満ちた白く長い縁毛と言い、どこから見ても、どのような姿形でも絵になる、実に魅力に満ちた蝶だと思います。
 毎年、この季節になると、日本全国からこの蝶をカメラに収めようと蝶好きの人たちが北アルプスの一角に集まってきます。

クモマツマキチョウ♂ 2017/05/27 長野県大町市

 雨天が二日続いた冷涼な晴天の日。
 こんな日は、クモマツマキチョウが花に夢中になるまたとないチャンス。

 晴天の日が続いても、また気温が高すぎても、この蝶のは、花にとどまることなく、延々と探索モードで飛び回ります。
 そんな時に撮影しようと思うものなら、一時も止まることのない蝶に一日中振り回されることになります。
 この日は、どの個体もお腹がペコペコと見えて、吸蜜に余念がありませんでした。

クモマツマキチョウ♂ 2017/05/27 長野県大町市
タンポポは頭状花のため、蝶は花弁一つ一つにストローを差し込んで吸蜜するので、比較的長時間とどまっていることが多い。


クモマツマキチョウ♂ 2017/05/27 長野県大町市
美しいオレンジ。
品の良い抹茶色の雲状紋。
ふんわりと体を包む長毛。
ファインダーをのぞきこみながら、今年もこの蝶に会えたという喜びが沸き上がってきます。

クモマツマキチョウ♂ 2017/05/27 長野県大町市
フェンスの周りに生えた食草・ミヤマハタザオに引き寄せられる♂。
幼虫時代に食べて育ったこの花の蜜を、蝶になってからもとりわけ好むようだ。

クモマツマキチョウ♀ 2017/05/27 長野県大町市
この日は♂ばかりで、♀はまだ羽化していないのかなと思っていたら、帰宅直前になって姿を見せてくれました。

クモマツマキチョウ♀ 2017/05/27 長野県大町市

      クモマツマキチョウ♂ 2017/05/27 長野県大町市


クモマツマキチョウ♂ 2017/05/27 長野県大町市
直射日光が強く、どうしても蝶の白い色が飛んでしまいがちになる。


クモマツマキチョウ♂ 2017/05/27 長野県大町市
周りの草に埋もれるようにして咲くミヤマハタザオで吸蜜する。
手前の草が薄いベールのようになって、柔らかい雰囲気が出ました。汗;

クモマツマキチョウ♀ 2017/05/27 長野県大町市

クモマツマキチョウ♀ 2017/05/27 長野県大町市
一株のミヤマハタザオに何度も訪れては吸蜜し、離れてはまた帰ってくることを繰り返して・・・・


クモマツマキチョウ♀ 2017/05/27 長野県大町市
ハタザオの花房に産卵を始めた。
深く曲げたお尻の先に、たったいま産みつけられたばかりの卵が見えます。
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クモマツマキチョウ♂ 2017/05/27 長野県大町市
♂の方は♀を探してパトロールに余念がない。
同じ空間に生息するヤマトスジグロチョウ♂とのバトル。

クモマツマキチョウ♀ 2017/05/27 長野県大町市
産卵を終えて、一休み。

クモマツマキチョウ♂ 2017/05/27 長野県大町市
オスも一日の縄張りパトロールでお疲れの様子。今日最後の吸蜜かな?
斜めに傾いた日の光の影が、蝶の上に落ちていた。
この花に止まったまま、夜を迎えるのだろうか。