猛暑の後に - ヤマトシジミ -

  このまま終りがないのでは?と錯覚しそうな猛暑の長い日々が続き、、大きな台風も繰り返しやって来た。
 豪雨や高波が襲ったかと思えば大きな地震も起きて、何となくエコ・クライシスの予兆や端緒が感じられるような夏でしたが、やはり季節は移り、秋風がススキの穂をそよがせる広瀬川の河原に、今年もまたヤマトシジミの蒼い♀が出始めました。

 多くの生き物たちが命を騒ぎ立てる時節が過ぎ、成虫の姿で冬を越す蝶たちの忍従の季節が始まる前に、秋は彼らに穏やかなひと時を与えてくれます。
 この時期、ブログ主の最大の楽しみは、美しく衣替えをするヤマトシジミの♀たちを探すことです。

 ヤマトシジミの低温型と呼ばれる♀の青化現象ですが、よく考えてみると、幼虫があの猛烈な暑さをしのいで蛹になったわけだから、この時期だけ纏うあの美しい青色は、幼虫が高温の中で成長するゆえに生じる表現形質で、むしろ高温型というべき現象なのかもしれませんね。笑

 この夏の特別な暑さを反映したものか、今年の♀は青みの発達が良いようです。

いつもの河川敷の公園で
ショッキングピンクマツバボタンに沢山のヤマトシジミや秋のセセリが吸蜜に訪れていた。

おお、現れました。
いきなり大きく青い鱗粉が発達したヤマト♀が。
(クリックで拡大)

        これは普通に青が出たメス。
    やはりカタバミの黄色い花との相性は抜群です。

これはかなり青化が発達。

     同じ個体

♀は翅表ばかりでなく、翅裏も薄いアイボリーブラウンの地色が美しい。

翅の角度で、灰色が勝ったり、綺麗な青色に見えたりするところが変化があって面白い。
同じ個体をどれほど写しても飽きるということがありません。


               青い部分がとても大きな個体を見つけた。
        しかもとても新鮮。


この♀を追っかけていると、♂が後ろから飛来した。
驚いて飛んだ時に、青色が美しく輝いた。(クリックで拡大)

これは別の♀ですが、やはり翅の角度で青色が綺麗にでました。

いつもなら10月中旬から下旬にかけて秋型の青い♀が出てくるのですが、今年は半月ほど早く出てきました。
もしかすると、これから11月ごろにかけて温暖ならば、もう一世代発生するかもしれませんね。
もし発生した場合、どんなメスが出てくるのか、それもまた楽しみです。