虹色の新参者 - ツマグロヒョウモン -

 4・5年前までは、姿を見かけることも珍しかったツマグロヒョウモン
 かつては、大阪以南にしかいなかった蝶ですが、ご多分に漏れず、温暖化のせいで激しく北上中。
 5年ほど前に、東京の上野公園でこの蝶が吸蜜しているのを見て、いつか仙台でも・・・と思っていましたが、ここ数年ほどの間に、市内の草地などで飛ぶ姿を見かけるようになりました。
 今や、仙台近郊ではミドリヒョウモン・メスグロヒョウモン・ウラギンヒョウモンに次いで多いヒョウモンとなりつつあるようです。

 この蝶は、ほかのヒョウモンに比べて♂のオレンジの色合いが明るく、飛んでいてもすぐにツマグロの♂とわかります。そして♀はツマグロとはいえ、黒いというよりは濃い藍色で、オレンジからピンク色のグラデーションが広がり、とても美しいと思います。
 裏の紋様もいろいろな色が混じった複雑な模様が面白く、ついついカメラを向けずにはいられません。


新鮮な♂。
市内の住宅地に点在する草地で羽を休めていた。
今年最後の世代と思われますが、春から夏の間には見かけなかったので、おそらく他の場所から飛んできた♀がこの草地に産卵したのではないでしょうか。

タンポポモドキ(別名ブタナ)の黄色い花に頻繁に訪れて吸蜜する。

草むらで産卵中のメスを見つけ、あたりを飛び回って求愛する。
メスは仕事を邪魔され、煩わしそう。笑

メスは、オスとは全く違い、カバマダラというマダラチョウに擬態していると言われています。
色合いは個体差が大きく、これはつま先の藍色部分が濃い傾向。
仙台近郊のかなり深い山地の開けた草地で。

これは、オスと同じ草地にいた♀。
つま先が藍色で、前翅中室にかけての青からピンク~オレンジへのグラデーションがとても美しく出ている。
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メスの裏面は、前翅のピンク色が広がり、一層艶やかで美しい。

連射で前とこの2枚だけにピントが来た。

秋空の下、明るい日差しに輝くような花と蝶。
(クリックで拡大)